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2004.12.20

【バナスク・こだわりメモ】 〜床暖房〜

 当店の1階フロアの床は、寒い冬でも快適に過ごしていただけるよう、床暖房になっています。

 当店舗の設計思想には、「人にも犬にも優しい施設」という考えがあります。ドッグランを併設し、犬と入店できるカフェだからこそ、是が非でも外せなかった設備が幾つかあります。その一つがタイルの床に埋設された『床暖房』なのです。

 まず、床暖房の基本的なメリットとして、次のような点が挙げられます。

【1】床面を均一に温めるので暖房にムラがなく、室温が低くても暖かく感じます。その結果、外気温との温度差を小さくすることができますので、ヒートショックを防ぐことができます。ヒートショックとは、急激な温度変化が体に及ぼす影響のことで、血圧が急変動したり、脈拍が早くなったりして、深刻な事故につながる事があります。お客様が、屋外のドッグランとカフェ店内を何度も往復することになる当店のような形態には必要と考えました。また、内外の気温差が比較的少ないので結露が起こりにくいというメリットもあります。例えば、窓際にいるワンちゃんが窓の露で濡れてしまう、といった事も防げます。

【2】また、ファンヒーターやエアコンによる暖房とは違い、温風を使わないので、ホコリを巻き上げる事がありません。床に落ちた犬の毛を巻き上げる事もありませんので衛生面で優れています。

【3】さらに、ストーブとは違い、室内で火を燃やす事がないので、空気が汚れず安全です。当然ながら、愛犬に火傷を負わせてしまう心配もありません(写真は、機械室にある床暖房用の大型のボイラー設備です)。

  …と、以上はすぐに思いつく一般的なメリットなのですが、当店ではさらに、愛犬が快適に過ごせるための、さらなるアイデアも盛り込みました。

 それは、わざと床暖房を入れていない部分を用意していること。具体的には、リードフックのある窓側の床に、幅70cmのひんやりとした床を用意してあります。右の写真にマウスカーソルを重ねてみて下さい。青い部分が床暖房が切れて冷たく保たれている部分です。犬は自分が快適と思う温度の床を選んで寝そべりますから、リードを少し長めにして繋いでおけば、寒ければ飼い主の足元の温かい床に、暑ければ窓際のヒンヤリと冷たい床に、といった具合に居場所を上手に使い分けることができるのです。

  なお、タイルに床暖を併用すると、暖まりにくいように思われるかも知れませんが、一度暖まってしまえば、しっかりと長時間適温が持続されます。さらに、遠赤外線効果も高く、うつ向いて床面に顔を向けると、頬のあたりがホンノリと暖かく感じるほどです。また、冬場、犬の被毛や人間の靴に付いてドッグランから店内に入り込んだ雪も、床暖房のおかげですぐに解けて蒸発しますので、例えば、雪まみれになった愛犬も、毛に絡みついた雪玉を大まかに取ってやりさえすれば、比較的短時間で乾いた被毛に戻るようです。

■当店の看板犬『マークとベッキィ』は、ヒンヤリとした部分がお気に入り。 ■大胆な性格(?)の『ベッキィ』は、それでも暑いのか、こんな格好で居眠り中。

 


 最後に、オマケ情報(?)として、当店1階フロアで採用している床材を紹介します。ご自宅のリフォームや新築の際の参考にしていただければ幸いです。

【デザレートコット】

  設計当初は、純粋なテラコッタ(素焼き)タイルを採用する予定でした。ですが、オシャレでインテリア性に富んでいる反面、傷が付きやすく、上に物を落とした時に割れやすいということや、素焼きで目が粗いため汚れやすく、カフェとしては衛生面で問題があると判断し、採用を断念しました。汚れを防ぐためにワックスを塗るという手段もありますが、やはり、犬の脚が滑りやすくなるというデメリットがありました。そこで、カタログや住宅設備ショールームなどでテラコッタに代わる素材を探し、最終的に、INAXの『デザレートコット』という製品を採用することにしました。これは、テラコッタの風合いのあるレンガ色の丈夫なタイルで、表面には細かなざらつきがあって滑りにくく、さらに防汚処理もされているものです。簡単なモップがけで、キレイに保てます。この製品には、外床と内床の2タイプ(現在は、浴室床用を入れて3タイプ)がありますが、当店で採用したのは肌ざわりの優しい内床タイプです(外床タイプは表面に細かな突起が無数にあり、より一層滑りにくいというメリットがありますが、モップがひっかかってしまう上、犬(特に大型犬)が寝そべった時などは、肘や膝などが傷つきやすいのであまりお薦めできません)。なお、タイル一枚一枚の色合いには微妙な変化が付けられているので、敷きつめた時に自然な感じになり、テラコッタの良さを髣髴とさせてくれます。詳細はメーカーのホームページを参照して下さい。

【INAXのホームページ】⇒http://www.inax.co.jp/products/interior/tile/ei_floortile/


Copyright(C)2004 Bernard SQuare